自分というもの

今回は自分の強みについて書いていきたいと思う。自分がどういう人間か知る試みのひとつだ。

最近は色々と診断テストがあるけれど、僕は『ストレングス・ファインダー』というものを使った。

3年ほど前、就活のために一度『ストレングス・ファインダー1.0』をやってみたんだけど、最近『ストレングス・ファインダー2.0』という新版が発売されていたのを知り、思うところがあったので、もう一度やってみたって感じだ。

日本語版だと、『さあ、才能(自分)に目覚めよう』というタイトルなので、宗教か疑似科学っぽくて、ちょっと店頭とかでは買いにくいけど、今はネットで買えるから便利だね。

才能は平均からの乖離だから、きれいごとではなく、誰にでもあるものだと思う。生物が種として生存するために、生存戦略として種の中でバラつきを持たせているって話はよく聞く話だし(個として生存するなら平均的である方がいいんだろうけど)、何も一番でなければ才能ではないってことじゃないわけだから。

調査の規模は明確ではないけれど、従業員エンゲージメントの調査を1,000万人以上を対象として行っていることや、この本が累計50万部を突破していることから、十分そうって感じだ。

才能なんてものをどうやって測るんだ?って疑問もあるけど、本を読んでみると、その人が好きとか楽しいって感じることを才能と定義して(他の人より得意だからだろうという前提がある?それともそれ自体が才能?)、それを100問以上の質問として聞いているのかな。同じ才能に関することなのかなと思う質問もあるので、この質問にこう答えた人はこういう傾向に何点という心理学的データベースを持っていて、それに照らし合わせて判定しているように感じた。

まぁ、従業員エンゲージメントの調査で、1,000万人中700万人が、最も得意とすることに専念する機会が不十分と回答していることから、少しでも不満があると自分に才能があることでも最も得意なことじゃないって考えてしまうとも予想できるので(同じ才能を持っていてその人が自分より優れた実績を残している場合など)、どうやって才能を測るんだ?という疑問と合わせて、多少割り引いて「最終的に判断するのは自分、診断結果はあくまで指針」くらいの感覚でよさそうだ。

 

では本題。ナンバーリングが強みの順位を表している。

■就活時

①自我

意義ある人間と思われたい。周りの人間もそうであってほしい。仕事を単なる業務ではなく、自分の生き方そのものにしたい。
②目標志向

目標を常に意識し、それに向かって進むことを良しとし、行動を振るいにかける。

③未来志向

未来に希望を抱き、自分も周りもそれによって鼓舞する。

④最上志向

平均以上でありたい。だから得意なこと以外はやりたくないし、周囲の人間も強みを磨いていれば良い。弱点を克服するなんてナンセンス。

⑤学習欲

学ぶのが好き。何も知らない状態から能力を備 えた状態に、着実で計画的なプロセスを経て移行することで活気づけられる。最初にいくつかの事実に接することでぞくぞくし、早い段階で学んだことを復誦し練習する努力をし、スキルを習得するにつれ自信が強まるというプロセスに心惹かれる。

 

■直近

①内省

考えることが好き。だからひとりの時間を楽しむ。自分に質問し、自分で回答する。何に集中しているかは、他の強みによる。

②慎重さ

世の中が予測できない場所であると考え、用心深く、油断しない。危険の可能性について、否定するのではなく、自分の振るいにかけて減らしていく。

③着想

複雑に見える表面下に、なぜ物事はそうなっているのかを説明する的確で簡潔な考え方を発見すると、うれしくなる。新しい見方、常識をひっくり返すことに魅力を感じる。

④個別化

個人個人の違い(性格、動機、考え方、関係の築き方)に着目する。人を一般化、類型化したくない。人それぞれに合わせた行動ができる。

⑤収集心

知りたがり屋。必要性という実利を期待しているというよりも、情報を蓄積したい。色々なものに興味を惹かれるから集める。可能性を捨てたくない。可能性のあるあらゆる用途を考えているので、物を捨てることに不安を覚える。

 

うーん(笑)。一応、才能ってできる限り個人の中で不変なものを特定しようとしているらしいんだけど、ひとつも被っていない。

これを見て思うのは、直近のものが自分に近いだろうなってことだ。就活の時のは、こうであってほしいとか、こうなりたいみたいな心理状態が如実に表れている。④、⑤は多少その毛があるかなとは思うけれども、①~③はどなたですか?って感じだ。診断結果が出たときも違和感があった。納得感がないというか。。変な欲に囚われていたんだな。自分じゃない誰かになろうとしていた。だから苦しかった。他人になろうとするのは苦しいことなんだ(日本の就職は嘘つき大会というのも間違ってないかも。自分にも会社にも嘘をつくんだから。)。

衣食住が他国に比べれば遥かに充実している日本という国においては、多くの苦しみがここから生まれているんじゃなかろうか。。

逆に、直近の診断結果は自分っぽいなと納得感がある。心理状態が変わるようなイベントはないし、仕事にも慣れてきて、自然な心理状態に近いからかな。これをひとつの指針にしていこうと思える。

 

要は、「足るを知る」ことが大切なんだな。自分を卑下するのではなく、他人じゃない、自分であろうとすること。

もともと、世の権力者を諫めるための言葉であったという話もあるけれど、昔の権力者は(相対的には)物質的に満たされていただろうし、ましてや(もしかすると過去の権力者よりも)物質的に満たされつつある現代においては、権力者でなくとも内面にこそ目を向けるべきって捉える方が自然じゃないか?

世に蔓延るキラキラした個性の流行イメージなんか気にせず、自分なりに考え、他人になりすまそうとしない、精神の独自性を手に入れた方が幸せになれるって実感があるよ。

 

とまぁ、『ストレングス・ファインダー』の診断結果の過去と現在の自分のギャップを見て、こんなことを考えた。それだけでも、この本を買った甲斐はあったと思う(しかし、中古では診断が受けられない、再度テストを受けることもできないというのは、確実に著者に印税が入る仕組みにもなっているな)。

ただ、その時の自分の心理状態の影響は大きいようだから、できる限り自然な心理状態の時に受ける方がいいね。

 あと、全部読む必要はなさそうだから、最初に前書きだけ読んで、診断テストを受けた後、自分の強みの箇所と行動指針、加えて相性の良い特質も書いてあるので、その部分だけを読めばいいかな。

 

おしまい