専門性が叫ばれる世の中で

2~3か月前にふと考えたことを思い出したので、記録しておく。

タイトルにあるとおり、それは専門性についてだ。

 

専門性が強調されている背景には、①世界の競争状態が高まっていること(イノベーションの必要性、育てる余裕なし)、②個人の知識レベルが平均的には上昇していること(より高いレベルの知識を強調する)、③日本的文化の後退(家族的価値観の崩壊)があるんじゃないかと思っている。

まぁここは本題ではないので省くとして、専門性を身につけると市場価値が上がり、自由度の高い安定したキャリアを歩んでいけるというような話があると思う。

これを愚直に信じると、危険なんじゃないかというのが本題だ。

 

専門性を身につけると市場価値が上がるというのは本当だと思うし、高い市場価値を背景にした自由度の高さと安定も、まぁ嘘ではないと思う。

一方で、リスク分散という考え方もある。投資などでも、よくポートフォリオ理論というものを見聞きする。一つの銘柄だけでなく、性質の異なる複数の銘柄を保有すべきというヤツだ。最近ブームになっている(しようとしている?)副業なんかもこの部類に入るんじゃないだろうか。

この考え方を導入すると、専門性を愚直に信じるのは危険という考えが浮かんでくる(英語でいうProfessionの語源となったラテン語のprofessは、神の前で信仰を告白するというニュアンスなので、美しくはあるけれど)。

つまり、専門性にも旬というものがあり、旬であるうちは市場価値にも高く恩恵を享受できるけれども、旬を過ぎた場合には恐ろしい結末が待っている可能性がある。

だから、専門性を身につければ明るい未来が待っていると愚直に信じるのではなく、懐疑する必要がある。

そのうえで、自分のライフスタイルとか価値観を見直して、行動していく。それが重要ということ。

 

正直そんなにお金もいらないし、仕事もあんまり…というのであれば、そこそこの業務遂行能力を複数身につけることがリスク分散になるし、生活にかかるコストも把握できているのであれば、安心した暮らしができるのではないかと思う。

逆に仕事を中心とした価値観を持ち、専門性を高めて高い報酬と達成感を得たいのであれば、柔軟な専門性か柔軟な思考を持って、時代に合わせて変化していく覚悟が必要になると思う(時代の変化に合わせて、自分の過去の経験を捨てるということも十分ありうる)。

 

これ以外にも道はあるだろうし、後は自分の能力と要相談かな。

 

幸せになるなら、自分と向き合って価値観を知ることが始めの一歩ってことで。

 

おしまい